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ねここさんがセイラを描いてくださいましたー!!
かわいいですねぇかわいいですねぇv
相変わらずの綺麗な色遣いとキラキラ加減がたまりません!
ひらひらドレスとセイラらしい笑みが素敵です!

ねここさん、セイラを描いてくださりありがとうござました!

短文記事ですいません。でわっ
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「fantasy?」   2010.06.07 // novel
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少女は目を覚ました。
起き上がり、辺りを見回してみる。
そこは今にも崩れそうな瓦礫の隙間に作られた「家」だった。
「家」とはいっても、屋根があり、居間があり…というような立派な住処ではない。
壁はひびだらけ、ドアなんてものはなく、瓦礫の影に、ぼろ布を敷き、生活に必要な最低限なものを並べただけの場所だった。
周りにあるのは、傷だらけの桶、汚れた服、錆びたナイフ…。
その中に置いてある、他の物とは違ってやたらきれいな鞄を少女は取った。少女の鞄だった。
少女はあてもなくどこかへと向かう旅人だった。年は14歳くらい、金髪に碧眼で、少々冷めたところのある人で、名前はユナという。

「あ、起きたかい?」

年上と思われる少年の声が聞こえた。
ユナが外を見ると、そこには左目に眼帯をしている、緑色の髪の少年がいた。
ユナは少年のもとへ行きました。少年はたまたまこの街に立ち寄ったユナに色々とよくしてくれた人だった。
少年の名前はナオトといった。ナオトは太陽のような明るい笑顔でユナに言う。

「おはよう、旅人さん。
 今、朝ごはん捕ってきたとこなんだ。」

「…ユナ。」

「え?」

「ユナでいい。」

「そう、じゃあユナ。ちょっと皿とってきてくれる?5人分ね。」

5人という言葉にユナは首を傾げましたがその答えはすぐにわかった。
ナオトの後ろに小さな男の子が二人と女の子がいて、水揚げされたばかりの魚が入った袋を抱えていた。
男の子のうちの一人は腕に痛々しいあざがあり、もう一人の子は片腕に包帯が巻かれていて、女の子は顔にやけどの跡があった。
ユナは辺りの見回してみました。この街に来た時から思ってはいたが、ここは「街」というより「廃墟」だった。
まともに立っている建物は一つもなかった。仮に大震災の後だとしても、こんなに街全体が壊れてしまったりはしない。
そしておまけに人がほとんどいない。ここに来てから、ユナはナオトたち以外の人には逢わなかった。
ユナは小さな子どもたちを見てナオトに尋ねた。

「この子たち、キミの兄弟かなんか?」

「ああ、違うよ。みんな、家族がいないから一緒に暮らしてるんだ。」

ふぅん、とユナはつぶやいて皿を取りにいった。
陶器の皿は2枚しかなかった。あとは鍋の蓋とかアルミの灰皿とか…それを皿として使っているようだった。
ユナは皿を5枚ではなく4枚しか持っていかなかった。ぼろ布の上に輪になって座り、「朝食」が始まる。
ナオトが首を傾げた。ユナの皿だけなかった。

「あれ、ユナのは?」

「いらない。携帯用食糧だけで十分。」

はねつけるようなユナの態度に、ナオトは少し首をすくめた。
そうこうしてる間に子供たちがナオトに魚を差し出して、「切って。」と言った。
ナオトは壁にかかっていたナイフで魚をさばき、それぞれの皿に並べた。
子供たちはうれしそうにそれぞれの皿の魚を食べ始めた。でも、ユナは一切手をつけなかった。
ユナは不味い携帯用食糧を飲み込むと、子供たちの様子をじっと見つめた。
みんな楽しそうに笑っていた。ユナはそれを無言で見つめていた。
ナオトは子供たちの面倒を見ながら、自分も食事を始めた。
右目の眼帯がやけに目立った。

「…この街、何があったの?」

不意にユナが言った。一瞬だけ、ナオトの表情が凍りついた。
うつむいて、悲しそうな目をして。でもナオトはやさしい人で、怒らずにユナの質問に答え始めました。

「この街はね、もとは緑が多くて、農業が盛んな街だったらしいんだ。
 けど周りの街がどんどん発展していくのを見て、大人達が言ったんだ。『俺たちも負けてられない。もっと技術を発達させて豊かな生活を送らなきゃ。』ってね。
 そして、工業とか商業とかに力をいれたり、科学技術の研究とかが盛んになったんだ。」

「……。」

「技術の発展はどんどん進んで、街は豊かになった。
 機械やロボットもたくさんできたよ。そしたら、みんな農業をやめて工場とかで働いたり商売を始めたりし始めた。
 農業は生活安定しないからね。
 生活が安定し始めたら、今度はみんな自分の為にお金を使うようになった。
 家とか買ってみたり、便利な機械を買ってみたり。
 あと一人暮らしして気楽な生活してみたり、自分が安心するために子供の教育にお金かけてみたりする人もいたかな。」

「……。」

「あとお金だけじゃなくて物もね。
 街の周りは元は立派な森だったんだけど、大人たちがどんどん切っていった。
 『そうしないと競争に生き残れない。』んだってさ。」

「……。」

「そんな時にね、海の向こうの街が『カク』って技術を見つけたって話が入ってきたんだ。
 その技術ですごい爆弾を作ってるって。」

やっぱり、とでも言うようにユナがため息をついた。
そしてナオトのその先の言葉を見透かすように言った。

「で、その街と戦争になったってことか。」

ナオトは悲しそうに頷いた。

「海の向こうの街なんかに負けてられない。って言ってね。
 この街も『カク』の研究を始めた。そしたら海の向こうの街も更に躍起になって研究を進めた。
 『カク』の研究が進むうちに、お互いの軍事力を恐れるようになった。
 二つの街の仲が悪くなって、万一攻め込まれた時のために更に多くの兵器を作って…。」

「…で、ちょっとしたことがきっかけで、争いが始まっちゃった?」

「…うん。ちょっとした街同士のもめ事だった。」

「街を壊したのは『カク』爆弾?」

「………うん。」

ナオトは俯いて言った。
街の壊れっぷりからして、そう昔のことではないだろうなと思った。
ユナは魚を笑顔で食べる子供達を見つめながら言った。

「ホウシャノウって知ってる?」

「…うん?」

「…知らないなら別にいい。」

ナオトは首を傾げたがユナはそれ以上その話はしなかった。
ユナはただ子供達を見つめていた。
きっとこの街のほとんどの人は亡くなったのだろう。灼熱の地獄の中で苦しみながら。
崩れ落ちた街に食べ物なんてきっと無かっただろう。農業を止めたのなら、食べ物はほとんど輸入していただろうから。
そしてさらに死亡者が増えた。といったところだろうか。
ぼんやりそう考えながらユナは子供達を見つめていた。
ユナは窓の外を見た。黒い壁の向こうにぽっかり浮かぶ歪んだ四角い空が虚しく見えた。
空を飛ぶ白い鳥が見えた。自由で美しかった。この街と違って。
その時、一羽の白い鳥がナオトの近くに舞い降りた。
どうやら餌が欲しいようで、黒い瞳をきらきらさせながらナオトを見ていた。
子供達はニコニコしながら魚を一匹鳥に分けてあげた。
鳥は喜んでそれを食べた。子供達はそれを見て楽しそうに笑った。とても幸せそうだった。
ユナは、ただその様子を傍観していた。
「みんな、食べ終わったら出掛けるからね。」

ナオトが言った。子供達は元気な声で返事をした。
ユナが尋ねた。

「どこに?」

「港に仲間がいるから、街の復興手伝うんだ。」

「復興する気?」

冷めた声だった。けれどナオトは笑って言った。

「勿論。いつまでもこのままじゃこいつら可哀想だろ?」

そう言って子供達の頭を撫でた。
ふぅん、とユナは冷めた声で言った。
死んだ街と笑うナオト。とても対照的だった。
ユナは荷物をまとめてカバンを持って立ち上がった。

「色々ありがとう。もう出発するから。」

最後まで冷めた声でユナは言った。
ユナの冷たい態度にもかかわらず、ナオトは優しく笑った。
子供達はユナの近くに寄ってきては「いかないでー。」と可愛らしい声をあげた。

「ところでユナってどこに行こうとしてるの?」

「特にあてはない。 行きたいとこに行くだけ。
 次はキョートに言ってみようかな。シャンハイでもいいかも。」

「そう、じゃあ気をつけてね。また機会があったらこの街にも寄ってね。」

「……。」

ユナは少し黙り込んだ。
そしてぺこりとお辞儀をしてお礼をし、ナオト達に背を向けて歩き出した。
崩れ果てた灰色の街を抜けていく。
天井の蒼い空の方がずっと綺麗だった。
するとユナは急に立ち止まった。
そして振り返ってナオトに言った。

「復興頑張ってね。」

「うん、勿論。」

「もしまた平和な街に戻ったら…」

ユナは静かに言った。

「今度は技術に食いつぶされないようにね。」

そう言ってユナは立ち去った。
その後、ナオト達がどうなったかユナは知らない。




コンセプトは「どこか現実味のあるファンタジー」のつもりだったんですが、端から現実味ありありになってしまったという。
続きでキャラ紹介。
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